死神のメロディー/ホロウ・シカエルボク
溶けたプラスティックみたいな血が
身体の中をゆっくりと流れている
その血が見せる幻覚は加工物臭く
張りつめっぱなしのジャズ・ドラマーのカウントのように
軒先からの雨垂れが地面を叩き続けている
アラームの誤作動で真夜中に目が覚めたとき
まだ見たことが無いものを知っていることに気付いた
だけどそれは絶対に形に出来ないもので
ゆきずりの愛のようにそのまま忘れてしまって構わなかった
「確信は、そのとき一番効果のあるまじないのようなものだ」
アクアリウムのネオンテトラが腸捻転を起こして腹を上にしてる明方
小学校のとき
飼育してい
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