まるしかく人間論/ただのみきや
気張ったり
バッタリ倒れてしまうほど
やがて窮屈さに堪えかねて
(おや? 心が便秘ですねぇ)
豆が莢から弾けるように
跳ねては丸く猫になり
昇って円く月になり
飛んでは跳ねて転がって
失くしてしまったボールのように
知らない自由を知りたくて
死ねない自分に死にたくて
地の球の筈があちらこちらに角が立ち
いのちはパチンコ玉のように回収されて逝く
画面や紙面がその数を告げる
(覆水盆に返らず か)
すると今日も小動物のように忙しなく
ブルーライトの小窓から覗くのだ
迷えるアダムとエバの子孫たち
キャラメルのおまけさながらの
箱入り娘と息子たち
《まるしかく人間論:2013年2月》
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