【HHM参加作品】きみはゼロ年代最高のカルトホラー『バーサーカー』を見たか/古月
 
けにえ』の乾燥したアルマジロを思わせるナイスオマージュだ。正直言ってニヤニヤが止まらない。

だが、そんな観客の思惑を打ち砕くように、運転席にはオッサンがいた。しかもさっきの焼印のオッサンである。
オッサンかよ! あなたがたの心が急速に萎えていく気持ちも分からんでもないが、まあ我慢してほしい。このオッサンも、どうせあと少しの命なのだから。
そんな観客の心中など知る由もなく、オッサンはビールなんか飲みながらカーステレオをつけて、すっかりご機嫌である。
すると、あたりが暗くなり、突如として霧が立ちこめ始めた。
厳密には霧なのか排気ガスなのか分かりにくいが、総合的に判断して霧としておく。

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