【HHM参加作品】きみはゼロ年代最高のカルトホラー『バーサーカー』を見たか/古月
 
ブレイン。
ネイティブアメリカンの羽飾りを頭につけ、ハーモニカを吹くブレイン。ちょっとした恋人きどりである。
そろそろと身体に触れようとするブレインに、すかさず身を引いて拒否るティナ。
「ねえ、ブレイン」
「ぼくの名前はブライアンだ」
どうやらこの脳肥大男は、自分の外見にコンプレックスがあるらしかった。
そして、おそらくは自分の家族が異常だということも正しく認識しているし、会話も成立する。
ティナは「こいつなら説得できる」と思ったのか、それとも「彼だけは善人だ」と思ったのかは定かではないが、とにかくブレインを説得することにした。

「ねえ、ブライアン、私を逃がして」
「どこへ?
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