【HHM参加作品】きみはゼロ年代最高のカルトホラー『バーサーカー』を見たか/古月
と覗き込んだテレビの裏側には、電気のコードがグチャグチャに繋ぎなおされていて、その先は人形の首に接続されていた。
壁には行方不明者のポスターを剥がした後があり、テーブルには新聞紙がベタベタ貼られている。イスの肘掛には同じように、紙幣が大量に貼り付けられていた。
部屋を飾る奇怪なイルミネーション、天井からぶら下がった大量のガラクタ。これは完全にアウトである。
この時点で全力で逃げるべきだし、この家族もそろそろちょっとヤバいことに気が付きはじめているはずなのだが、「失礼になってはいけない」という思いがそれを上回るのか、逃げる機会を逃してしまう。
招待されるがままに食卓に着くと、そこには老婦
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)