スマ・ホ/……とある蛙
時報に電話する都会の昔の孤独を
歌った年老いたDylanは
顔も見ずに携帯画面で
交換される文字の羅列に生活する
今の孤独を知らない
声で発ッせられる言葉に
恐怖を感じる人の群れは
双方向画面を見ながら
皆 一様に同一方向を向いた
ランダムな塊でしかない
心はブログに打ち出された文字列で
携帯画面を離れた真実は想定外
発音された言葉が擬で
文字ですらない記号の羅列が真か
結局真実は絵文字に含まれる
文字列は装飾であって
ハートマークが真実
文字は絵文字の装飾であって
その意味など考える必要もない
懸命に嘘を言っていても
嘘が実体を持ち出し詐欺ができあがる
詐欺は実体のない絵文字のような物で
文字列に意味があれば容易に嘘がばれる
嘘は実体の中に埋没する
快感はどこにもない。
体を通り抜ける物は実感では無く
興味と幻滅の織りなすタペストリー
また、携帯画面を
弄くり回す
捏ね回す
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