うたってよ/もっぷ
 
聴きたいのに凪いでいる夜
風よ
うたってよ

聞きたいのにきみの声
どこへ行ってしまったの
いつかの空の白煙に乗って

しん、としたまま白んでゆくのか

灰紺色の星のまばらな

風よ
うたってよ

こんな一人の夜には

わたしは石ですほら、いま
路傍の片隅で蹴っ飛ばされたところ

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