手のひら/まきしむ
 
マットレスの上ででんぐり返しを繰り返している
僕の番はまだ来ないよ、手の甲を掻いている

四角い部屋櫛を通すように手で梳く
マンホールの凹みに水がまだ溜まっていた
三階からそれを覗いている女性
八百屋から白菜が突き出ている

湯気がもくもくとたっている
道端からそれをただ眺めている

ポケットの中の小銭を数える
これでどこか行けるかもしれない
屈伸をする必要もなくなる、かも

手を振りあってそこは正門だった
既に上手く笑えなくなっていて
  
時間の問題、シーソーの片っ端がやけに重くて
飲み屋の連なる上で絡まる黒い線や鉄パイプが
肋骨のかわりに僕の支柱となり
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