あずきの恋人 (最終回)/たま
ちゃん。
おとうさん。
鈴木さん。
大王さま……、そして、
外山先生。
みんな笑って、なかよく並んでいる。
表紙をめくると……、
わたしの部屋の絵。外山先生が書いてくれた、ちいさな付箋が貼ってある。
/わたしはここにいます。
それは、わたしの声だと、外山先生は言った。
おとうさんに勧められて、わたしは絵本を描き始めたけれど、それは「手でさわれないもの」を描きたかったからだと思う。
イチローだった外山先生は、それを知っていたはず。だから、おかあさんと、わたしを絵本教室に誘い出して、「手でさわれないもの」を、わたしに教えようとした。
もちろん、外山先生のほ
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