冬と熱/
木立 悟
傷の日々は日々のまま
より低い地へ消えてゆく
虚ろな水の 約束ごと
白と黒に震え
あとは口をつぐんでいる
午後でも真昼でも冬でもあるもの
熱を足元に沈めるもの
指より小さな鉱の花が
無い空の色にまばたいている
雪に埋もれた馬車の配置
海から海を引き抜く人の手
またひとつ曇は倒れ
夜に重なる
広い花の
広い無言
水をすくい葉をすくい
影をすくい空をすくう
とどまらぬものを他に手わたして
舞うものは 行方なきものは
ふたたび戴冠者をさがしにゆく
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