【HHM参加作品】しろいろさんと大森靖子さん/佐藤真夏
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ここで、正しいものは、想いと表現されています。しかしこの作品集のタイトルは「ユモレスク」。語源は、ユーモア、冗談という意味を含みます。決して想いも正しくはないのでしょう。そして、
なにもかもうそっぱちでもひりひりするひふ1ミリの世界がいとしい
を読むと、もはや、なにが正しくてなにがウソかわからなくなっている、というところを超えて、「どうせみんなウソなのだから、現状を打ち破るためならウソでも構わない」という方向性がみえてきます。これは大森さんの「キラキラ」と同じ方向であり、ふたりの作品の重なる部分です。
ただし、先ほど述べたように、ふたりには違いがあるのは確かです。大森さんの曲が〈子ども〉を連れて歩くのに対し、しろいろさんの歌には〈子ども〉に引きずられている部分があります。山田航さんが、先に挙げたブログの中で、しろいろさんの歌について「不思議な残酷さと切なさ」があるとおっしゃっていますが、この、混乱からくる受動性がその所以といえるのではないでしょうか。
おしまい
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