深い森/HAL
りたいと
時々 ほんとうに時々だけど
戻れるならと強く想う
あの深い森の匂いに
きみも包まれたのだろうかと
訊ねるのを忘れたことだけが
後悔としていまもなお残っている
もうきみの名字すら忘れてしまい
名前しか想い出せないでいるのに
でもぼくはふと思うことがある
もしかしたらあの森の匂いは
きみの心に生まれた深い森の
匂いではなかったのだろうか
そしてもしかしたらきみはぼくが
心に深い森を抱えていることを
知っていたのでないだろうかと
もう惑星として呼ばれない
冥王星よりも遠い遠い夜に
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