握手、並びに四苦八苦の面影と夜風/赤青黄
 
*

部屋のカーテンと窓を真夜中に開けて夜風を、冷たい夜風を、それはそれは冷たい夜風を
引き入れることが、私の夜中の、十二時の、日課であった

一日の始まりを朝ではなく夜としたことは、まさしく人間における史上最大の、歴史にお
ける、進化における、過ちであることを、多くの人類は知らない

いや、知ることをしようとしない、それを知ること、知ったところで、どうにかなるわけ
ではないことを人類は、生まれたときから、この予に生を受けた時から、既に知っている
からだ

新しいことを知ることよりも、既に知っている知らないことにする方が、特段難しくなる
ように、覚えていることを覚えていな
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