【HHM参加作品】 ビル・マックィーンの詩について。あるいは夢について。/Debby
何かを書きたいと思った時、僕は自分の中に語るべきものがないことにすぐ思い当たる。幼少のころから意見を求められるときが一番苦痛だった。「君はどう思う?」なんて言葉を向けられると、途端に呼吸が苦しくなって血圧が上がったものだ。
もちろん、大人になってからは少しずつではあったけれども、僕だってある種の対処を覚えていった。「悪くない案だと思うけれど、もう少し検討してみたいな」とか「とても面白いと思うよ、もう少し詰めて考えてみないか?」なんて言葉も上手に使えるようになった。
つまりそういうことだ。僕はつまらない人間だということ。文章の価値が「面白い」というところにあるなら、僕は徹底的に無価値な人間
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