町の底/吉岡ペペロ
 
大気が町の底を冷やしている

鼻や耳をそれがかすめる

思い通りにならなくて

理屈で相手をやり込めようとしていた

なにを感じて生きてゆけばいいのだろう

あの怒りも

あの喜びも

理性で処理できるものなんてたかが知れていた


楽しく電車に乗りたかった

ただ

楽しく電車に乗りたかった


大気が町の底を冷やしている

鼻や耳をそれがかすめる

思い通りにならなくて

理屈で相手をやり込めようとしていた

なにを感じて生きてゆけばいいのだろう

あの怒りも

あの喜びも

理性で処理できるものなんてたかが知れていた







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