南国の娘仔たち/佐々宝砂
 
は憂鬱な気分になってきます。こういう詩情は、根本的に、「琉球娘仔歌」とかわらんと思うのです。南国的な植物を出してきて、異国風な服装の「乙女」を出してくる。あくまで「乙女」です。「娘仔」です。大人の女ではないのです。まして、自立して生きる矜持ある大人の男たちではないのです。

南国への憧れを私は否定しません。それは私のなかにもあります。あるからこそ、私は「琉球娘仔歌」をノートに書き写したのですけれど。

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ほんのすこーし訂正加筆
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