元旦のこと/はるな
 

今年がはじまった瞬間には夫の寝顔をみていた。ちょうどその一年前とおなじだ。
消音にしているテレビのなかでは2012年がひっくりかえってあふれていた。


師走にはいつもよりいろいろのひとと会った。たのしくて、うれしくて、すぐに好きになってしまった。いつもそうだ。街も、色も、音楽も、女の子も男の子も、すぐに好きになってしまう。そのくせなじめない気持ちで立ち尽くして。
それに、十二月は、どうしてかみんないつもより色っぽくて、どきどきしてしまった。

気分の良い時間があって、気分の悪い時間がある。
生きている誰かと、同じことだ。
気分の良い時間があって、気分の悪い時間がある。

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