災難/
梓ゆい
左胸に、指先の感触が走る。
触れた事が判ったのだろうか?
目を合わせぬように、男は小声で謝罪する。
「単なる事故だ。。気にするな。。」
再度触れぬ様にと、身体を捻るが
斜め後ろからの視線に、例え様の無い恐怖を見る。。。
「今日ハ、家ニ帰リタクナイ。。」
監視されている互いを哀れに思う暇も無く
指先の感触は綺麗に引いた。。。
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