初冠雪のち晴れ/Dr.Jaco
 
  ベランダの前に座っている八甲田
  
  久しぶりに眺められているな

  眺めてもらっている

  曇っていて

  会ってくれないのね

  とか思って愛している

  
  もうできないあなたの代わりに

  私が噴火してあげるわ

  なんて

  昔なら言ったかもしれないけど

  黙って眺めてる


  久しぶりの雪山は思いのほか近くにあって

  その眼差しはなだらかな坂

  掌に沿って

  顔の無い微笑みの暖かさが

  流れてくる

  窓枠にぶつかって

  神がいる

  と知ってはまずいだろうか
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