深夜叫劇/きーろ
 
携帯の明かりが照らす叫び声音もなく声かける人もなく

刺す冷気窓際からの匂いかな不定期深夜慟哭時間

エアコンの熱暖かく吹く風の色に育てよベッドの蚕

芸のない男の指がただ紡ぐ言葉が消える時はまだ先

笑いあうことなく寝床それ食べろボーダーボーダー寝巻きシマウマ

本棚の匂いは今も変わらない脳内世界地図の印刷

ゆらめいた街灯色の世界さえ手の届かない夢を見ている

蛾は確か綺麗な羽根を揺らしてた胴の太さと同じくらいに
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