白と水(Private Nocturnal)/木立 悟
 
さえ出来ず
くりかえしくりかえし出来ぬまま
今もまたなお
くりかえしている


記号の塵が立ち上がり
足跡のない路をゆく
到き到かぬ曇のはざまに
むらさきをむらさきを招びながら


午後の鴉
鉄が土に落ちる音
蛾の目に羽に覚めつづけ
空をすぎる水を聴く


ひとつとふたつの境いめを蹴り
冬は孵り 川に映らず
動かぬ腕から生えた手を
動かぬままに祝福してゆく

































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