漫才師のケーウラくん。/み
大事だと伝える言葉。
一生お笑いの仕事をしたいと、
心の底からケーウラくんは思っていた。
ラジオで募集したリスナーのアイデアを
テレビで見事に爆笑に変えていた彼の笑顔は
任務成功に満足するスパイのようでもある。
信頼するリスナーとの共同作戦である。
ケーウラくんは言う。
同じ事務所の漫才師より漫才は下手。
後輩の漫才師よりも知性教養全部下。
だが、
相変わらず
心の底から。
心の底から
思うことをバネにして
ゲージに力をためて
うん!と気張っているようにも見える。
ケーウラくんの漫才に
爆笑しながら
巧妙な仕掛けに
まんまと嵌った気がしていた。
時折ラジオで語ってくれる若い頃の話が
心の底から思ったことを
挑戦しては
挫折し、
成功しては
失敗している
プロセスだったからである。
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