誕生日/月乃助
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悲しみのふきだまり
時の塵が 雪のように
ふりつもった
私の父は、元旦の夜に亡くなりました
四十四歳
心臓のわるい 人でした
長いときの 時のながい あいだ
なぐさめるように
それが、偶然だとおもっていました
因の重さもしろうとせず
果の味を たずねることもなかった
何かがあったから
気づいたのではないのです
連綿ということなのでしょうか
死の訪れが
選ばれたものの 指さしできめられるものだと
時に 人の口にのぼる
小さな私は、お正月を祝うことができず
それが悲しくて
死んだものをにくんだり したのかもしれません
死の意味
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