誕生日/月乃助
 
{引用=
悲しみのふきだまり
時の塵が 雪のように
ふりつもった

私の父は、元旦の夜に亡くなりました
四十四歳
心臓のわるい 人でした

長いときの 時のながい あいだ
なぐさめるように
それが、偶然だとおもっていました

因の重さもしろうとせず
果の味を たずねることもなかった
何かがあったから
気づいたのではないのです
連綿ということなのでしょうか

死の訪れが
選ばれたものの 指さしできめられるものだと
時に 人の口にのぼる

小さな私は、お正月を祝うことができず
それが悲しくて
死んだものをにくんだり したのかもしれません

死の意味
[次のページ]
戻る   Point(7)