書こうとしたことを忘れてしまって/あおば
 
道に行かれた方が好い結果を生むでしょうと言われ続け、やむなく歌は趣味で励むことにしたのです。幸い健康にも恵まれ丈夫な身体をもらったので首尾よく警察官になれたのですが、時々仕事中にも声にならない声が身体の底から湧き上がるリズムを生んで、我知らず思いきり歌いたくなることもあるのです。
 自転車で街を警邏しながら鼻歌を唄うのも職務上は許されないですから、非番の時間にカラオケルームへ行く機会も増えました。
 夢はみんなの前で制服姿でオリジナルを絶唱することです。




初出 「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)
  http://anapai.com/tanpatsu/goru/
タイトルは、kauzakさん。




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