現代心経(ワルノリ中)/2012
きる何物も全ては相対的なもの、関係性の中で織り成されるものだ。
確固とした心の対象など、この世の中のどこにもありはしない。
身体感覚の隅々から意識の最奥に至るまでことごとく流れ去る。
しかし、私はこの事実を以ってこの世が嘘っぱちのものだとか虚無だとかいうつもりは毛頭ない。
この世は実体がないからこそ、成立していられる。
それは別に良いとか悪いとかいうレベルの話ではない。
悟りが無ければ迷いも無い。同時に、悟りが無くなるわけでも無ければ、
迷いが無くなるわけでも無い。
そして遂に、老いも死もなく、老いと死がなくなることも無いという事実を認識する。
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