背伸び/藤鈴呼
あなたに追い付いた背の分だけ
知識も 長く 伸びたろうか
見上げていた頃は 我儘三昧
いえ 今も 甘えてばかりの春
ひらひらと 桜が 舞うように
散らばるのは レシートの山
少しずつ 畳んでしまわないと
箪笥から 溢れる 洗濯物
ガラガラと 回る
唸る 蛇の声が 響く
空が らせん状に 割れながら
少しずつ 近付いて 来る
覗かれては ならぬ
龍の声を 聞いて目覚めた 新緑の朝
ひょろん と 伸びた
掴める 腹の肉は 原っぱに預けて
遊びに行こう
丘の上には
お菓子が 有る筈だから
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