米穀配給通帳/ドクダミ五十号
 

それが善意で送られ来たる物にも関わらず

お米が貴重で半分が麦

正月だけはそれを止めて

真っ白なご飯だった

たったの三日だったが

泣きながら食べたものだ

おいしい

おいしいと

それと配給通帳の記憶が重なる時

少年の私は何かが胸の奥底で

熱くたぎるのだった

おそらく生への渇望と楽しみ

叶わぬ

どうか貴方がご飯を食べる時

良く噛み締めて欲しいのです

お願いです

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