ぼくの手のひらにお皿があってずっと回ってる/カンチェルスキス
ぼくの手のひらにお皿があってずっと回ってる
切れ目のついた流れ星が
次から次へと不時着を繰り返す
どうしてぼくは逃げ出したりしないのか
紺色と茶色のあぶくでいっぱいになった
川の電車橋の下で
誰かが誰かに首を撥ねられてる
その音が聞こえてくる
いやな音だ
いやな音だ
ずっと聞いてるとぼくはそうも思えなくなった
ひらべったくなって
まぶたにくっついた涙
燃やし尽くした単二電池
動かなくなった意識から
ぼくは何を見ても
ぼくの手のひらにお皿があってずっと回ってる
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