稀有な月曜日/あたたかいもの/ただのみきや
陽射しは澄んだ冷気を纏い
静かに微笑んでいた
病床から起き上がる母親のように
すると蒼白い時と仄暗い人の群れで編まれるはずの朝が
心なしか ふと暖色に染まり
視線は飛翔してはまた憩う 小鳥となって
稀有な月曜だ
ずっと本棚の裏に落ちていた
懐かしいページが開かれるように
あたたかいものだ 人とは
誰もかれもが着膨れて
幾重にもからだを包み
そのからだがいのちを包み
いのちは呼吸する
それは白い湯気となり
融けては消えて
ほんの少し
世界を温める
あたたかいものだ いのちとは
いのちはいのちから生まれ
生まれた赤子は湯気を立て
泣
[次のページ]
戻る 編 削 Point(21)