稀有な月曜日/あたたかいもの/ただのみきや
 
陽射しは澄んだ冷気を纏い
静かに微笑んでいた
病床から起き上がる母親のように

すると蒼白い時と仄暗い人の群れで編まれるはずの朝が
心なしか ふと暖色に染まり
視線は飛翔してはまた憩う 小鳥となって

稀有な月曜だ
ずっと本棚の裏に落ちていた
懐かしいページが開かれるように


あたたかいものだ 人とは

誰もかれもが着膨れて
幾重にもからだを包み
そのからだがいのちを包み
いのちは呼吸する
それは白い湯気となり
融けては消えて
ほんの少し
世界を温める

あたたかいものだ いのちとは

いのちはいのちから生まれ
生まれた赤子は湯気を立て

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