打つ。/元親 ミッド
鉄パイプが固い大地に立て掛けられて
その先端は、浅く立てられた爪のように
大地に少しだけ引っ掛かっている。
これを石頭(セットウ)で叩くのだ。
背がねじれ、肩が軋み、
そこから鞭のように腕がしなって
鎚は、勢いよく放たれる。
が、しかし鎚の一振りは、
乾いた金属音だけを響かせて
虚しくも弾かれる。
叩く速度と同じ速度で
勢い良くも弾かれる。
鉄パイプは、ただの鉄パイプのままだった。
だから、また叩く。
背をねじり、肩を軋ませ、
鞭のように腕をしならせて、
手首でス
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