不一致/佐藤真夏
一、
ひとつ、ふたつ
もっと
でたらめなものとして
の
わたしの
きみのわたしの
きみ
一列に重なり
二、
吐く息を白と呼ぶならば
黒板のうえに白はなくて
(架空に、さわりました
鍵穴から
初雪を観測する
三、
多目的室の戸締まりをすると
理由が蒸発してゆくのがわかります
このあたりのうそからは
、味のない水だけがはみだしてしまう
四、
ぼんやりとくるまいすを押し合いながら
渡り廊下を渡りきる朝
(連詩:Recent Report From First Complex 10)
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