冬の日/ホロウ・シカエルボク
 
った
そういう種類の寂しさ
若い浮浪者の死
枯葉のように落ちていく詩や音楽
胸倉を掴まれた似顔絵描き
死んだように眠る老婆と酔っ払いの若者
誰かに火を貰わなければ
煙草を吸うことが出来なかった船乗り
踏切の音が高らかに鳴り
時を薙ぐように特急が背後から駆けぬけてゆく
まるでデリカシーのない津波みたいだ
居場所を無くさないようにわたしは道の先を見た







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