戦闘少女、戦闘少年/片野晃司
きみとのあいだでいつも荒々しく戦いが始まるのだった。いちどやってみたかった、たのしかった、いつもやっていたかった、つかみ合い、すれ違い、組み合い、逃げては追い、どこまでも逃げてゆき、どこまでも追ってゆき、そろそろおしっこしたいよね、襖を開ける、襖を閉める。いそがないとね、襖を開ける、襖を閉める、箪笥があり、布団があり、そろそろがまんできないよね、きみは最新の兵器となって僕になり、あなたは最新の兵器となって私になる。完全につりあっているから最後には消えておわる。
(詩誌ガニメデ五十二?号掲載 2011年○月)
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