燃えないゴミ/
佐々宝砂
とだけのようです。ええ、あらゆる表情のうちただ笑顔だけが許されています。薄ら笑い、含み笑い、ほくそ笑み、微苦笑、苦笑、冷笑、嘲笑、憫笑、呵々大笑、失笑、哄笑……
でも。でも。でも。せめて。
せめて。
ゆらゆらする残像を頼りなげな影にゆだねたいのだと告げたい、
大口あけてげらげらとバカ笑いしながら告げるしかないとしても、
それでも、それは、夜の箱の中で「私」が「あなた」に贈りうる、最も甘い囁きです。
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