no other one/ehanov
 
-桟橋、
列、人のそれは連なって
加われない、加わりたかった、
ふるえる季節が
見える、と、暗がりは
なにもない其処に
暗がりは、風車の虹に
後をつけられたまま
ヒヤシンスの五月の梅雨の
蜃気楼の回転する
青と黄色と赤

口ずさめ鳥の歌を
三日月、あるいは湿地帯
濡れた緑の群れ、または
凍えた樫の残像の淵で
届かなかった音
間違われたか、いや、
もう携えていた
二度と、瞼の裏では

桟橋で
加わった、加われた
靴底に敷かれた歓喜の
喇叭に縛られた
まだ知ってはいけない
と、さえずった
黒かった、靴は黒かった、
桟橋とともに
そして、歩まなかった
もしくは、
/
待つことが-

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