伝統と変遷/salco
の中
で食習慣の比重が増しているからだろう。珍しがってあれこれと手を出す
のは小学生まで。食べつけないものはやはり美味しくないのだ。なんちゃ
ってタンドリーチキンみたいなのがウケる。
おせちも本来「おふくろの味」であるものを、箸が進まないのは当然だ。
今にお雑煮もベシャメルベースが登場するのではないか。
しかしこいつらが大学生や社会人になって、修学旅行や民宿の粗略なも
てなしではなく、自分の料簡で選ぶ和食に舌が肥え出したらと、考えれば
恐ろしい。ノリやイヴェントとしてしか手料理しないおばさんのスキルな
ど、恥ずかしくて出せなくなること請合いだ。私の存在意義も絶滅に瀕し
ているわけである。
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