にがみ/ドクダミ五十号
 
貴君等はもう御存知だろう

前提として申し上げるを許して欲しい

苦味は旨みとなかが良い

切り離す様な方法をとるべきではない

それは何も食に限っての事ではない

あらゆる事に旨みは存在し

ときに旨みばかりを追求しがちだが

引き立てとしての苦味を排除するのは愚かだ

常に付き従うものは容認されるべきなのだ

きらびやかな旨みに対して

苦味は実に謙虚に存在しようとする

我々の立場からすると

味わいとはベクトルとして美しさを嗜好するが

アクセントが無い美はありえない

そこかしこに存在する苦味の存在価値は

今日も貴君に訴えかけている

何故かを考えるに値すると思う



めざしのはらわたをめしと共に咀嚼しつつ考える

ナンセンスにも程があろうが

お構いなしなのだ

さあ

他にも適用されるかもしれないと

考えようではないか

諸君


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