言葉の力/葉leaf
 
動かすものであることの確認であり、そこでは言葉に対する考察が、言葉と自己・世界との関係、言葉と他人・社会との関係の領域にまで広がったのである。
 そうすると、逆説的ではあるが、言葉を信じることが言葉を疑うことに転じることになってくる。言葉を信じることで、言葉とそれを巡る広大なネットワークが視界に入る。すると、言葉がその広大なネットワークでうまく機能しない面も見えてくるのである。例えば、言葉が本当に自分の言いたいことを適切に言えているかどうか。あるいは、善意で他人に向けた言葉が却ってその他人を傷つけていないかどうか。さらには、積極的に社会に流通させた言葉がその広まりゆえに却って重みを失っていないか
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