アダムランザ/六九郎
 
20になって母親と二人暮らし
父親は俺らを見捨てて家を出て
社会から隔絶し
netに埋没し
なんの充足感も得られず
疎外感にさいなまれる
あいつらの笑い声
馬鹿共の笑い顔

俺みたいなクズは山ほどいるだろ?
何の役にも立たないようなクズ野郎は
何の希望も見つからず
ただ悶々としてその日をやり過ごす
逆恨みを膨らませ
自分は被害者だけど何の被害者だか思い出せない
そんな俺みたいな繊細なクズ
弱々しいクズはどこにでもいるだろ?

もう充分だ
もうそろそろ充分だ
俺も今まで我慢してきたよ
だけど潮時だ
パチンと弾けて終わりにしよう
頭を撃ち抜け
母親の銃で
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