男と女のにぎりめし/ドクダミ五十号
は呈す
「手品みたいだわ」と女は言うが 俺には当たり前だのクラッカー
俺は女に言う
「にぎりめしはオマエの担当だろう?さっさとにぎれよ」
一応まともに見えるにぎりめしだったので
俺は何も文句を言わない
「昼の分も出来たな、かぶが丁度良く漬かっているから切ってくれ」
糠床に触れるのを女は躊躇っていた
「いい事教えてやろうか、糠には美肌効果があって、触れば指が艶をますぜ」
そうして朝食は二人前 まともな皿が無いので カップ&ソーサーの
皿が使われたのだ 景色としてはチグハグだが それが面白い
女の握っためしは塩加減はともかく やんわりとしていて 朝に相応しかった
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