ティーカップ/和田カマリ
 
おばさんは
ひとっつもハンドルを切らないので
ティーカップは全然まわらないんだ

ドーン
洗濯槽が俺の重みに負けて
落ちてしまった
洗濯機はもう
うんともすんとも言わない

へへへ
お母さん
今頃どうしているかな
へへへ
べちょべちょだよ
へへへ
懐かしい

笑いながらずっと
頭にフタを載せたままで
洗濯槽から首だけを出して
裏庭の塀を見ていた

その時の俺はキレキレだったから
ざらついたブロックの表面を
細胞レベルまで見ることができていました

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