夜と白 ?/木立 悟
 
の腕輪に拳が混じり
昼の夜を静かに廻し
外郭をつないで現われる
赤錆の灯の言葉を浴びる


背は街の亡霊
手のひらは
つながりを解かれたつながりにかがやき
蛇や鴉
尾の人 鱗の人を導いてゆく


階段や彫像が
愛について議論しているあいだも
水は白を映したまま
揺れつづけていた


直ぐの道に迷い
幾度も幾度も振り返り
やがて行方以外の行方から
何かが激しく降りそそぐのを知る


冷たさに焼かれた頬や指
そこにこそ迷い
そこにこそうたう
かけらの標をかけらに帰し
冬が見る方へ
誰も見ぬ方へと歩き出す




























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