花火/葉leaf
が私は知っている、妹の心の中にも青春の波乱が潜んでいることを。挫折や悩み事、感情の劇に翻弄されていることを。今は遠くなってしまった妹と、私は花火の記憶でもってまだつながっているように思うのだ。あのときの私の青春の苦悩を妹は今まさに引き継いでいるようにも思われるし、あのとき私が悟った妹への愛も、いつまでも生き続けている。私の青春の苦悩は、形を変えて今の妹の中に回帰し、それは血を分けた者同士の苦悩だから、妹の苦悩を私自身も共に感じているかのように思えるのである。真夏の暗闇の中、花火はとてもきれいで、兄妹の笑顔もまた照応していた。あの花火は青春そのもの、愛そのものとして、今も私と妹の中に生き続けている。
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