気休めという天使に足を踏まれた聖夜/ただのみきや
何のことはない
君自身が落し物なのだ
たとえば君が左のエレベーターに乗る時
右のエレベーターから降りてくる
すれ違ってばかりの斜に構えた運命が
今日も君を捜している
そんな言葉は気休めと
いつもの嘆きの浮輪を着けて
足のつくプールに飛び込むのもいいけれど
初めて入った二階のカフェ
窓際の席から通りを眺めるように
ちょっと離れた時間から
琥珀に閉ざされた自分を見つけるなら
胸が苦しいあの夢の
秘密も少し
解けるかも
*今年のクリスマスもいまいちだったという
たくさんの愛し愛されるべき人たちへ
神様の祝福が豊かにありますように
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