matria/紅月
 

あざやかな喧騒を取り戻していく
眩暈のさなか、
母が投げこまれた空、
異形を拒まなかった空の、
正しさ、は、乱れ、
しゅんかん、拡がる、
うつくしい、と、
形容できる、波紋、
音叉の、図形が、
拡がる、空の、枯れ枝を、
見上げ、
呆然と、
意味もなく、
その意図もなく、
鳴く、響く、
がらんどうの、
タイルのまちの、
元の高さに、
戻っていく、
正しさへと、
浮かびあがって、


 

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