ひしゃげた空缶/すみたに
室で眠りから醒めぬもの、
全てから残滓を抜き取り、
詰め直す、次から次へと積み上げる
トラックに、そして送り出す、撒き散らす
飲み干されていく
戦士たちの生は
肉の川となり
真っ赤な舌に触れるなり
弾け、弾け、その快感に
溺れる者たちが
この世にはいる
トラックの走行が地鳴りを起こす、
ひっきりなしの爆撃を運び出し、
訪れた静寂はすべて作られたものだった。
来るべき幕開けは、
誰も望まない夜明けにある。
聞こえるか、あの絶叫が
抗議の声と思って鼻で笑うな、
あれは痛苦の一声だ、一撃の悲劇だ、
知らなかっただろう、
人は最期に腹の底から叫ぶことを
人が最期に何も思えぬままであることを
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