虎刈り/鵜飼千代子
 

んでくれる人いないから、ここが好きなのね」って、オーナーにお礼を言って帰って来た



いつも、散髪に行ってから実家に帰っても、「…(床屋に行く金がなかったのか)」と、おじいちゃんにもう一度散髪に連れて行って貰えるのですよ



パパが今帰ってきて「なんだそれ」「美容師さんにあそばれたらしいよ(あっちゅの弁)」「嫌なら直してもらった(アッキーの弁)」「直すって、直したら丸刈りしかないだろうが(パパの弁)」「(笑)(笑)(笑)(わたしの態度)」



てっぺんが尾長鶏の尻尾のようだから、取り敢えずまだ切る部分はある ラインは消えているだろうし、年始そうそうの床屋は勘弁して貰えるかな



美容院で散々笑ったあと、近所の大学に出願書類を貰いに行った


「ここなら、自転車で通えるね」なんて話しながら


今年はどこかに所属してもらわないと面倒見きれませんよ どこでもいいから、身に合った場所から次のステージをはじめよう

誰かの評価にかなう経験を持つことは、大切だから




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