或る赤い星/レイヨウ
目を、閉じる寸前。
目の、覚めるような青。
「君は死ぬの?」
少しつり上がっている意志の強そうな目が
ボロ雑巾のような僕を見下す
このガキ、と眉間に皺を寄せる気力も無い
その代わりに
乾涸びた笑い声が2、3響いた
ここではないどこかへ
行きたいのさ
「どうして?」
心を殺して生きる生物なんて
人間くらいだと気づいたからさ
「それが理由?」
尤(もっと)もな理由が必要かい
「いらない」
なら、いいじゃないか
不毛地帯に冴え冴えと揺れるワンピースの裾に
いつか夢に出た青いユニコ
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