肌寒い日/
番田
僕に守るべきものは何もない
潰れた喫茶店の前を通り過ぎる
そして 西海岸を 目指していた
瞼の中に 過去の自分を探していた
僕は書いていた 詩を
僕は有り金を無くした
できることなら死ぬまでこうしていたい
自分の時間すら 失って
きっと どこにもない 自分を主張できる場所は
立ち止まる時に全てが流れていく
東京の 明け方の 労働者たち
多くが身に疲れをまとっている
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