イルミネイション/三田九郎
いつからか
いつからなのか
延長戦に突入した
そのときを見過ごした
イルミネイション
唱えるたび
蒸気の純度が増してゆく
過剰にいきてる
いきすぎてる
その確信を
嗤うイルミネイション
寒すぎ
笑っちゃうくらい寒すぎ
愛せ過剰
されどこわばる頬
縮む臓物
いつだった
いつ
ゴールテープを切った
いつのまに
いきすぎてる
人間しすぎてる
その確信で
眠れぬ夜
眠られぬ夜
こだまする
今が昔になりゆく叫び
こだまする
引いては満ちる
潮時
その、囁き
イルミネイション
にじんで
溶けて
消えてゆく
眠らぬ夜
夜
夜
けれど
白々しく
またしも明けゆく
イルミネイションは
しばし無言
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